中江田電子

　　　１９９５年２月２８日

　ホテルはとても暖かい、断熱処理がしっかりしているのか
エアコンを切った時の温度が保たれている。
窓はカーテンが二重になっていて室内は真っ暗になる。
天気の具合を見ようとカーテンを開けると朝日が
部屋一杯に差し込み光の国に居るような感じがします。
目が慣れるまでしばらく時間がかかり今まで経験
した事の無い感動と感覚が全身を包み最高に平和で
幸福な時間が過ぎていく。

　ホテルの食事は２０００円以上します。そして、
量が少ない。とても小食で健康的です。
しかし、私は、近くのファーストフード店へ
エビハンバーカーにチーズそして、ポテトに
冷たいジュースその他いろいろです。
腹一杯食べて１０００円位です。毎回この店を
利用しています。

　午前１０時チェックアウトしてメッセへ向かいます。
こんなに朝早いのにどうしてこんなに人がいるのだ。！？
今日も満員御礼。ご祝儀袋を配って欲しいものです。
マックワールド最終日にも此れほど人が集まるとは
信じられません。ほんと凄い人気です。
最近の傾向では、ネットワークが主体になってきたようです。
関西大震災の影響かインターネットが注目されています。
関東電子のブースでは、インターネットクイズをして、
人集めをしていました。他のブースでも似たり寄ったりで
自社の商品紹介や説明は簡単に行われていました。
比較的小さな企業のブースでは、逆に一人一人の来場者に
とても丁寧に説明していました。しかし社名が知られていない
せいか、人々はとても冷たく厳しい世の中の現実が感じられます。
　関連ソフトやハードの販売価格の値下がりは目を見張るものが
あります。数年前には３０万～５０万円したソフトが今では
３万～５万で手に入ります。メモリー関係も価格が
下がり始めました。一般消費者には大変良い事です。
販売店では利益確保が困難になって来るでしょう。

　午後３時過ぎに幕張メッセを後に帰路につきました。
各社からもらったカタログ類は全て宅配業者に任せ
手ぶらで電車に乗ります。７時過ぎに家につき今回の研修
旅行は終了しました。時々は、気晴らしに出かけるのも
いいものです。いろいろ見聞を広げ精神を休ませる。
快い疲れとともに慣れたベッドで休みます。
次回の研修は５月のビジネスショーです。
何とか予算が取れて行けると良いですね。
 

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　　１９９５年２月２７日月曜日

　１９９５年２月２７日、月曜日。
２６日午前８時から２４時間当務が終了した。
疲れている。しかし、行かなくては、東京へ千葉へ。
今年はとても暖かく温暖です。コートを持っていこうと
用意はしたのですが、結局は置いて行きました。
　目的地はもちろん秋葉原と幕張メッセです。
秋葉原はすっかりパソコンの町になって
しまったようです。この地を訪れる度にパソコンの
看板が増えて一般家電の看板が減って行きます。
今では、秋葉原は世界一の電子機器の販売場所に
なっています。ここで手に入らない物は何も無い
でしょう。知識さえ有ればここで部品を集め原爆も
作れるでしょう。放射性物質だって比較的簡単に
手に入るし巧く精製できれば・・・。
今から約２０年前沢田研二主演の映画「太陽を盗んだ男」
を観た人なら何と無く肯くと思うのですが。

　東武線の太田駅から電車に乗る。電車に乗っている
間に少し眠ろうと思うのだが、全く眠れません。
ギンギンに目が冴えてしまいます。
精神はイライラして逆に疲れてしまいました。
北千住から日比谷線に乗り換えて秋葉原で降ります。
埃っぽい地下道から地上へ出るとまぶしさで辺りが真っ白に
見えます。
　そして、いきなり阪神大震災の募金をお願いします。と
声を掛けられました。私は既に２万円以上の募金をしています。
しかも、金銭の流れが明確な団体へです。街頭での募金活動は
色々な意味で不明朗な点が多く、ロータリークラブや学生
達のような活動団体以外は金銭を渡した事はない。
今回は非常にしつこく付きまとわれて困ってしまった。
私は、貴方は幾ら寄付しましたか、人に金を出せと迫っても
無理ですよと言って幸福の王子の話をして人に
金を出せと言う前に自分の持っている金を全部出せ。
持ち物を全部寄付しろと言ってやりました。
私はひどく冷たい人間に見られたかもしれません。
　秋葉原から東京へそこから京葉線へ乗り換えて海浜幕張へ
向かいます。電車の中は徐々に混み始め立っている人が
増えてきました。みんな何処へ行くのでしょうか。
座席に座り外の景気を観ると何だか変な感じがします。
見える物は大きな倉庫と社屋そして高層アパートです。
緑の木々や公園、広場は見当たりません。何処か寂しい
風景です。
　なんとびっくり海浜幕張の駅につくと乗っている人の
９割以上が降りるのです。ディズニーランドのある舞浜
では、降りる人はせいぜい２～３人でしたが、ここでは
１００００人単位の人が降ります。そして、全員がメッセに
行くのです。なんと盛況なことでしょうか。ちょっと
信じられません。私は、秋葉原で買い物をしたので
予約をしているホテルへ直行して、荷物を置いてきました。
結構きれいで上品なホテルです。
　メッセに入るとそこは世間の不景気とは全く無縁です。
本当にそうなのです。会場に入ると新聞やガイドブック
などが手当たり次第に配られます。各企業ブースに近ずくと
カタログが手渡されます。そして、ちょっとでも感心を
示せばＣＤ-ＲＯＭやフロッピー、ボールペンやお菓子
などが両手一杯に渡されます。さらに、パソコン、
自動車、バイク、関連機器、海外旅行などの抽選会などがあり
会場の雰囲気を盛り上げています。私は今までに是ほど人が
集まった展示会を観た事がありません。
マッキントッシュの注目の程が伺い知れます。
　今年はマック互換機が国内で販売されるでしょう。
大手のオーディオメーカーのパイオニアでも互換機を展示
していました。画面だけでしたが操作や環境は全く同じで、
違う所をさがすとすれば内蔵スピーカー位でしょうか。
　ワープロソフトメーカーの大手ジャストシステムも
マック版一太郎をデモしていました。しかし、途中で
何度も止まっていました。まだまだ完成度が甘いようです。
　最近感心があるのがＯＣＲソフトです。非常に安く
なってきました。これは、紙などに書かれた原稿を
スキャナーで読み取り文字をテキスト化します。
再入力の手間が省かれ情報を電子化するのに役立ちます。
何とかお金を溜めて買いたい物です。
約２時間程周りホテルへ戻りました。

今日は疲れた、早く休もう。
 

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　　　　　１９９５年２月２日

　

努力は報われず、正義は滅び、筋を通せば叩かれる。

正道を歩めば生活はできず、心をドブに捨て今日を暮す。

ストレスは溜り預貯金は減る一方である。
　

僅かな心の満足は毎日嘘を言わず良心的に接する事。

買って後悔する物は買わない方が良いと言い、
自分自身が信用し、
良い物と思わない商品は
販売しない、
その結果融通の効かない店と
言われても良いのです。

顧客の利益を考え、自分の利益を失う。

はたして、このままで良いのだろうか。

強い正義感にあふれ、高い志を持って経営している
多くの人達はどうしているのだろうか。
　
私も世間で言う厚顔無知で、悪徳な商売人になって
いくのだろうか。
適当な事をいって相手を騙し
商売してしまう。簡単な感じがします。
しかし、
そんなことをするくらいなら会社を解散させます。

失敗したと言われても良いのです。
経営者として、不的確だったといわれてもいいのです。
　
どんなに苦しくても絶対に自分の心に悔いを残さない。

相手を騙さない、適当な事を言って言いくるめない。

たくましい経営者にはならない。
自分は騙されても、絶対に人は騙さない。

何時か、成功すると信じて今日を生きる。

　
生涯、成功しなかった場合は後継者の人に言う。

販売する機会があったら販売する事。

相手が無知であれば、できるだけ利益を多く取り高く売る事。

面倒な説明は一切せず、相手に考える暇を与えない事。

相手に正確な情報は与えず、何時でも貴方が悪いという事。

迷ったら買いと勧める事。
金額や納品内容は文章や記録に残さず一番最後に言う事。

業者として持っている経験や知識は絶対に教えない事。

騙してでも売る事、騙される人が悪いのです。

紹介者があれば絶好のカモです。
訳の解らない事を
言って納品してしまいましょう。

請求は十分な利益をとり後でする事。

後でどんな事を言われても逆に変な客を紹介したな
と難癖付け賠償金を取りましょう。

頑張ってください・・・。





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　　１９９５年１月１６日　

スバル物流第一哨舎にて

　第一哨舎に当務し、だいぶ慣れてきました。
周りの様子を見て、更に遠くへ目を向ける。
公営アパートは巨大な四角いブロックの様です。
壁のペンキは虫食いのように所々はがれ、
屋根には枯れ木の様なテレビアンテナ沢山ついています。
正面は、氷河の壁のように大手企業の倉庫が視界を遮っています。
夜になるとオレンジ色の外灯が灯き月の光と同化し地上に居ながら
天の川の中にいるような幻想的な気分にさせます。

右側は見渡す限りの広大なモータープールになっている。
赤、青、白、紫、緑、ｅｔｃ・・・宝石のように美しく輝いて見えます。
後ろは中央に植え込みのある片側２車線の道が３００ｍ程続いている。
さらに、後ろは滑走路が横に延び悩みや規制の無い自由な大空へ
連れて行ってくれます。

モータープールに出入りするキャリアーは巨大なイモムシの様です。
時々黒煙を吐き大声で吠える。体重は１０ｔを超えるのに、その脳は
数ｋ程度しかない。この怪物は、モータープール内を自由に動き廻り
地面以外との接触はない。信じられない様な狭い隙間に入ったり、
前進後退を軽々とこなす。巨大な体の割には、繊細で見ていて
おもわず”お見事’と言ってしまう。
　
キャリアーはトコロテンを押し出す様に車を降ろします。１台２台・・・。
滑り台を降りるように次々にキャリアーから出て来ます。

朝はとても感動的です。
東の空が少し明るくなりほんの僅かオレンジ色になる。
この時はまだ、空の大部分は黒くみえます。
やがてオレンジ色の部分が少しずつ広がり黒い空と
の境が黄色になってくると、黒い空は紫色へと変わります。
なんと感動的な色彩の変化だろうか。
これほど透明感のある色はなかなか見られません。
早起きをしてこの場にいない者にはこの感動は味わえないのです。
私には、大発見です。

第一哨舎は時間がある。いろいろな事を考える。
明日の事。今日の夕食。電話、電気、水道料金の支払い。　
この時間を有効に使わなくては・・・。
何もしないでボーとしているので
非常に時間が経つのが早い、気がついた時には夜になっている。
もどかしくてしょうがない。
資格や免許を取るために勉強をしようか。
教養や話の種になる本でも読もうか。
当務の度に時間の潰し方を考えてしまう。
まったく、詰らない事に悩んだりしてしているものだ。
とにかく、事件や事故の無い平和な時間をどう過ごすか
悩みの種がまた一つ増えたようだ。
 

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1994年10月27日

足の手術その後

１９９４年１０月２７日午前１１時

ついに右足の膝から切り取った腫瘍の検査報告を聞きます。

良性だといいのですが、悪性だったらどうしましよう。いま、非常に不安です。

受け付けで検査結果を聞きに来たといいカードをだしました。

外科の診察室の前で落ち着かないまま椅子に座り待ちます。

やがて、入る様に言われおどおどと部屋に入って行きました。

先生は非常に重い口調で検査結果を読み上げました。

途中に外国語を折り混ぜたりして、私には何だか良く分かりませんが

ようするに、足にできた腫瘍は筋肉組織の一種で良性とのことでした。

しかし、どうして膝に筋肉が出来るのでしょうか。

よくよく考えると、とても不思議です。

もともとは一個の細胞から体は出来ています。

しかし、肝臓、腎臓、心臓等とそれぞれ違った働きをする臓器に別れています。

筋肉は筋肉の細胞、肝臓は肝臓の細胞と何か特別なキーが有って

それによって役割が決まるのでしょうか。

どうして、腕に肝臓が出来ないのでしょうか。どうして、首に心臓が

出来ないのでしょうか。考えると一晩中眠れません。

今回の場合、在るべき役割と場所を記録した何かが無くなって

しまった結果、右膝に勝手に筋肉組織が形成されてしまったようです。

とにかくこれでやっと、一安心です。

しかし、別の場所や別の腫瘍の出来る可能性は非常に高くなりました。

体の表面近くだと、自分で見つけられるのですが、内臓に出来た場合は

なかなか分かりません。次に腫瘍が出来た時は癌かもしれません。

将来ずっと不安です。これからは、自分の体調にもっと注意をして、

生活しようと思います。

最近、何社かの癌保険に加入しました。

なせか、相次いで保険外行員が我が家に来たのです。

どうも変です。１０年以上もここに住んでいて今まで保険の

セールスが来た事がありません。

私の通っている病院と保険会社が何等かの形で繋がりがあるようです。

もし、そうだったら大変な重大事です。

また、非常に効率の良い商売方法ともいえます。

病院は比較的若く元気な人を保険会社に紹介する。

保険会社は、紹介にしたがって外交する。

そして、病院へは保険会社から紹介料が支払われる。

なんだか出来すぎた話しですが、実際はどうなのでしょうか。

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