気まぐれ日記 つぶやき
クリスマスの出来事
これは、ある小さな町に住んでいる一家のお話しです。
その家は、お父さんとお母さんそして小さな女の子の三人家族です。
お父さんは仕事に忙しく朝早く家を出て、夜遅くまで働きとても疲れていました。
お母さんも掃除、洗濯、買い物など家事に忙しく疲れていました。
家族の会話もほとんど無く日曜日の夕食の時間も暗く沈んでいました。
女の子は、いつも寂しく一人で本を読んだりお人形と遊んだりしていました。
季節は秋になり木々の葉が枯れ落ち寒くなってきました。
空気は澄み遠くの山々がはっきりと見えるようになり、湖には渡り鳥がやって来ました。
ある日、女の子が言いました。
「お母さん、サンタクロースって本当にいるの?」
お母さんが答えました。
「もちろんいるわ、サンタクロースはね、絵本の中や窓に描かれた絵から出て来てみんなに
プレゼントを置いて行くのよ。世界中の子供達に素敵なプレゼントを届けるには町じゅうの
絵本や窓から一斉に飛び出して届けてまわるの。そして、みんなが目が覚めるころに
絵本や窓のなかへ帰っていくのよ。」
また、女の子が言いました。
「わたしのお家にもサンタさんがきてくれるかな?」
お母さんが答えました。
「きっと来てくれるわ、たくさんの夢と幸せを持ってね。」
季節は冬になり北の方の町では雪が降っているようです。
空には、灰色の雲が手が届きそうなくらい近くまで重く沈んできました。
町のあちこちにクリスマスツリーが飾られて、夜になると赤色や黄色、
青色など色とりどりの電球が美しく輝き、まぶしく見えます。
買い物へ行くと楽しい音楽が流れ、暗く沈んだ心をすこし軽くしてくれます。
女の子の家にも、楽しい雰囲気が漂って来ました。
テレビの番組や新聞、ラジオが人助けなどの明るい話題を流し何かいい事が起りそうな、
そんな感じを予感させていました。
女の子はいい事を思い付きました。町で見たサンタの絵を描いて窓に貼ろうと、
そしたらきっと家にもプレゼントが届けられてみんな、幸せになるだろうと。
女の子はサンタクロースの絵を描いて窓に貼りました。
その絵は、家の中だけではなく外からも見えました。
忙しく通りを行き交う人々の何人かが、窓の絵に気がつきました。
クリスマスの日が近ずいてきたある日、一人の男の人が女の子の家の前を通りました。
そして、窓をみて独り言を言いました。
「これほど心のこもった絵は見たことがない。一番最初にプレゼントを届けなくてはいけないな。
さてさてどんな物がいいだろう。」
「しばらく様子をみてみるか。みんなの心が明るく晴れて幸せな気分になれれば
最高にいいんだが・・。」
十二月二十四日の夜、町中の人達が心の底から何かを期待していました。
女の子も、どこか落着きが無く時間が過ぎるのが、とても遅く
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