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中江田電子

気まぐれ日記 つぶやき

ワルガキ登場 後編

[ # 7 91/09/10 23:05:25 ID: 2 (*MIYABEE* ) ]
[ Title: ワルガキ退散 ]
ワルガキ登場後編

1991年9月8日(日曜)台風が接近しているようで、天気が悪い。
しかし、久しぶりの休日である。ここ数年仕事の関係で日曜日に
家で静にして過すことなどなかった。たまに、休みが取れてもワルガキが・・・

ああ、思い出す悪夢の日々、暑い夏、子供の声・・・
私は、この夏子供たちと戦争をした。私の夏休みを静に過すために・・・。
戦争の発端はささいな事からだったが、
戦局はしだいに拡大し大変な事態になってしまった。
結局私の被った被害総額は、2万2千円その他である。
子供たちの実質出費は、0円。勝利者は、確定していない。
たぶん、私が負けたのだろう。

戦争状態が次第に拡大し、収束していくまでを簡単に説明しますので、
今後、読者(笑って読んでいる貴方)の方々が参考にして無駄な争いを
避けるようにしていただければ、幸いである。

私(1人)対子供(2人)のムードが険悪になり始めたのは、買置きの
アイスを誰が食べたのか?だった。
今になって思えば、大したことではないのだが
その時は、非常に重大かつ重要な問題だった。
私は、午後の暑いとき
(セミがジージー鳴き、日差しがマブシ~~~くて、うだるような時に皆様想像し
てください。涼しい木陰で麦わら帽子をかぶり、レースのテーブルクロスを
掛けたテーブルにひじをつき、いちごシロップをかけたかき氷を小さなスプーン
で少しずつ少しずつ小さな氷山を崩しながら、口へ運ぶ(私の性別は秘密です。)
何と涼しげて゛絵になる光景でしょう。空想っていいな~~)
に食べようと思ってとって置いたのに!それが、それが、なんと、半分食いかけ、
溶け掛かって、とても涼味あふれる、アイスとは思えない、見るも無残な形に
なっているではないか。
私は、午後の幸福の一時を打砕かれ、それまでの不満が一気に爆発した。

     「この~クソガキ!でてこい!ぶっとばしてやる~~」

私は、とても疲れていた。肉体的疲労とストレスとで。
夏休みは、ゆっくり休み疲れやストレスを少しでも解消しようと思っていた。
しかし、私を取り巻く世界は、そうはさせてくれない。
一日に5回は大声をだし、走り回る。4~5時間おきに防災訓練をしている様だ。
我が家の夏休みは、忍耐力の強化と体力の増強に最適のようだ。

子供たちとの関係が、収束に向ったのは帰る直前だった。
大声を出し走り回っていた子供たちが、帰る車のエンジンが掛った途端、
急に静になり泣き出したのだ、「お家に帰りたくないょ~~」
子供たちにとって、今年の夏休みは、毎日が新しい発見と感動の繰返しだったようだ。
大人たちが目もくれない様なものにも、心を奪われ感心してたちどまる。
また、自分の興味を引くものがあれば、何時までも飽きる事なくいじりまわし、
観察をつづける。感動や興奮に素直で驚きを隠さない。私は、突然気が付いた。
自分が何時のまにか自分の周りのものに興味を無くし、
物事に対して驚かなくなっていたのを。
そして、周囲の出来事に対して素直に反応する子供たちを、
大げさでうるさい奴と思って、理解しようとしなかったのを。

子供たちは、帰って行った。来年も来るだろう。
私の心の中にあった「うるせいやつら」は、今はいない。
来年は今年よりも、もっともっと楽しく新しい発見と
感動そして驚きの毎日になるように、いい思い出になるように、子供たちと長く
過すようにしようと思っている。

               幼年時代を思い出し枕を濡らす  みやび

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ワルガキ登場

[ # 6 91/08/14 09:03:44 ID: 0 (MIYABEE ) ]
[ Title: ワルガキ登場 ]

   ワルガキ登場

当家にもやっと夏休みがきた。見渡すと近所じゅう夏休みが来ているようである。
私には、結婚した姉が一人いて毎年子供を連れて遊びに来る。
子供は、男の子二人である。私は、この子達と叔父関係にあたるわけである。
子供は、「国の宝であり、天使である」と、どこかの誰かが言った様であるが
実際は、「家庭のゴミであり、悪魔である」。
私の棲んでいる家は、小さく狭く息苦しい所である。
養鶏所を想像していただければだいたい正解である。(笑)
家の中にいても手足を伸すどころか、体の向きを変えるのさえ困難なかんじの、
狭さなのである。そして、暑い、じっとしているだけで汗が出ていらいらしてくる。
さて、子供達の悪魔的行ないの数々をちょっと挙げてみよう。

その1・・私がゴム風せんを膨らませた回数8回、パンクした風せん8個
     風せんの平均生命時間1個につき約2分

その2・・当家には、遊び好きで我慢ずよい仔犬がいるのだが、・・・
     仔犬の忍耐力の限界約30秒。
(小屋の中に入って出てこなくなるまで。)

その3・・道路へ出るなと言った回数えーと数えられないくらい。
     それでも道路へ出た回数、同じく数えられないくらい。

その4・・当家にもエアコンが付いている部屋が幾つかあるのだが、
     ドアや障子を閉めろといった回数数えられないくらい。
     子供が閉めた回数、閉めろと言った回数の約20分の1

その5・・口を開けた缶ジュース無数、飲みかけになった缶ジュース無数

その6・・同じく口を開けた菓子無数、食いかけになったまま残った菓子無数

その7・・障子や襖に穴のあいた箇所2箇所

その8・・ストレスで胃が痛んだ日数5日間

その他、物は壊すし散らかすし、金はせびるし、ちょっとした強盗団みたいだ。
飽きると、何処かえ連れてって~。可愛い所なんてちっともない。
我々大人からみれば、厄介事に手足が生えて動き廻っているかんじだ。
帰るまで、あと1週間なんとか耐えなければならない。
しかし、反撃のチャンスもきっとあるはず、このまま黙っている私では、ないのだ。

次回、「ワルガキ撃退編」好御期待

                         みやび

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歯医者5

[ # 5 91/05/04 22:12:26 ID: 0 (MIYABEE ) ]
[ Title: チカゴロノ ハイシャ5 ]
近頃の歯医者5

”口を開いてー、力を抜いてー、緊張しなくてもいいですからねー”

口の中へ何だか変な管を2本入れられた。
不快と恐怖を象徴する器具を持って大きな手が私の口の方へ迫ってきた。
マスクをした顔が近づいてきた。
睨み返す勇気が無かったので私は目を閉じた。

不快な音と振動が私の顎に頭に首に響いてきた。
いや首から上、全部に響いてきた。
神経を逆なでする様な感覚に私は必死で耐えた。
精神的な苦痛の通り過ぎるのをただじっと待った。
肉体的な苦痛が感じられないのが、ただ一つの安心だった。

私は突然、声にならない声を上げた。
(大口を開けて恐怖の器具が中にあるのでまともな声が出るはずがない。)
顎の辺りから頭にかけて激痛が走ったのだ。
私の頭の中は、パニック状態になった。ようやく、緊張がとけて体の力が弛んだ時
だった、だけに・・・。
じわーと目が濡れる感じがした。

医者は再、私に麻酔を射った。虫歯の穴の中に直接針をいれて・・・。
私の精神力は、もう限界だった。
虫歯が痛くて眠れない夜が何日か続いたが、これ程の苦痛は無かった。
不安な目で医者や看護婦を見るのだが、その目は、

”貴方自身が悪いのよ、私たちの麻酔技術や治療技術か悪いわけじゃないの”
”これ以上、手間をとらせるんじゃーねーよ、少しは我慢をしろ”

と云っているようで、とても怖かった。
私は持てる演技力を精一杯使って恐怖と哀しみの目を女の子に向けた。
しかし、女の子は無情にも

”痛みは無いですね”

といって管を私の口の中へ突っ込んだのだった。

次回、次の治療までの1週間いったいどんな日々を過したか好御期待ください。
                    みやび

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歯医者4

[ # 4 91/02/23 21:00:55 ID: 0 (MIYABEE ) ]
[ Title: チカゴロノ ハイシャ4 ]
近頃の歯医者4

不安と苦痛に満ちた治療がついに始った。

”みやび様、どうぞこの台へ”
案内されるまま診療台へ、腰をかける。”ああ、やだなー不安だよー”

南向きに診療台が5つ並んでいる。窓の所に棚があって花が飾ってある。
好く晴れた午後で日差しがとても暖かく、ここが歯医者でなければ、
とても幸せな気分になれただろう。耳を澄ますとBGMに
クラシック音楽が流れている。

私の左右では、苦痛なのかそれとも恐怖なのか、顔をゆがめ必死に医者の治療に
堪え忍んでいる人がいる。
さらにその向こうでは、子供が・・・・

私の背後が騒がしくなった。治療の準備が始ったのだ。頭の後やや右後方に
各種の器具を置く台があり、そこに小さなバットを女の子が置いた。
そっと頭を回し横目で見ると、金属の筒の中に入った注射器だった。

やがて私のそばに、30代と思われる男の人がやってきた。
”椅子を倒しますよー”
(歯医者の治療台と床屋の椅子の感じがとても良く似ていると思った。
しかし決定的に違うのは、緊張感と恐怖心である。
床屋の方は、女の子が剃刀を持ってきても、これ程の緊張感と恐怖心はない。)
”口を開けてください。”
”ああ、ここですね。”
”痛いですか”
”うーん”
その男の人は、独り言を何か言っては頷き納得している。
”それでは、一応レントゲンを取ります。”

”麻酔を射ちますからねー。痛くないですよー。安心してください。”
”はい、口をあけてー。”
ち、ちょっと待って、まだこっちは心の準備が・・・
うっ、うっ、おげげげげ。痛・・
やがて麻酔が利いてきた。ほっぺたの辺りの感覚が無くなってきた感じだ
私の魅力的な唇も腫れた感じで、感覚が無い。
(これなら、大して苦痛も感じずに治療が終るだろう。)

私の思い込みは、甘かった様だ。次回いよいよ歯を削ります。
この日から朝と夜さらに、休日は3回以上きちんと歯を磨くようになった。

読むは爆笑、語るは涙                 みやび

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歯医者3

[ # 3 91/02/23 19:04:07 ID: 0 (MIYABEE ) ]
[ Title: チカゴロノ ハイシャ3 ]
近頃の歯医者3

1991年1月30日午後2時歯医者のドアを開ける。

歯医者というのは、何処も同じなのだろうか?
ぼろぼろになった古い雑誌や本、クッションの薄い長い椅子、
押し黙ったまま下を向いた人たち、冷たい床、
微かに匂う薬品独特の臭い・・・。

ドアを開けた時何だか場違いな所へ来てしまったような感覚がした。
(既に何人かの人が待っていたが、皆押し黙ったまま上の空で雑誌をめくっていた。)

”いやーな雰囲気だなー”

やがて私より前に来ていた人たちが、皆診察室へ消えた。

待合室に残った私は、部屋の中を観察した。
色々な虫歯の写真や顎の写真。虫歯にならない為の正しい歯の磨きかた・・・・。
部屋の壁いっぱい、そんなポスターや写真が貼ってある。
どうせ貼るなら、風景画や小犬の写真の方がいいのに。

やがて先に入っていった人たちの治療が始った。
治療室の中から、いやーなあの音が聞えてきた。
背筋がぞくぞくして、全身の毛が逆立つ様な、不安をかきたて恐怖心をあおるあの音。
さらに駄目押しの子供の泣き声・・・

私は帰りたい気分になった。
みぞおちの辺りを何か重たいもので押されるような感覚がして気分が悪くなった。
深呼吸をしても何だか空気が薄いようで、酸欠で今にも倒れそうな感じだ。
ああ、やっぱり来るんじゃなかったと、後悔し始めた頃1人治療室から出てきた。
顔面蒼白、苦虫を噛んだ様な顔つき。

もう緊張の限界だ。こんな所に居たくないょー。

”みやび様中へどうぞ、奥から2番目の治療台へ掛けてください。”

次回、”不安と苦痛に満ちた治療がついに始った。”編 お楽しみください。
                              みやび

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